徹底分析シリーズ 麻酔科的緩和医療
脊髄くも膜下鎮痛法を用いた緩和―安全確実な鎮痛でオピオイドの副作用を軽減 在宅ケアにもきわめて有用な麻酔科的手法
小杉 寿文
1
,
濱田 献
1
,
佐藤 英俊
2
Toshifumi KOSUGI
1
,
Sasagu HAMADA
1
,
Hidetoshi SATO
2
1佐賀県立病院好生館 緩和ケア科
2佐賀大学医学部附属病院 地域包括緩和ケア科
pp.818-822
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101599
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麻酔科,ペインクリニックの専門医として緩和医療に携わっていると,当然のことながら治療困難な痛みの症例ばかりが紹介されてくる。そこで何ができるのか,専門医であるからこそ冷静な判断を迫られ,厳しい現実に向き合わなければならない。麻酔科医が介入することによって,患者の痛みが減り,退院が可能となり,化学療法を再開できるかもしれない。
当院では,39症例(2006年~2012年4月)の脊髄くも膜下intrathecal(IT)鎮痛法を行った。その経験から,IT鎮痛法が質の高い鎮痛と生活の質を確保するのに有用な手段であることを実感している。
そこで本稿では,安全確実なIT鎮痛法の確立と普及のために,当院での試行錯誤と課題を紹介する。
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