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■その意図はわかるものの,そこで,その発言はおかしいでしょ,という場面が結構あります。先日もJRに乗っていて笑ってしまった車内放送。駅の発車ベルが鳴り出した時に「これからの乗車はお控えください」とのアナウンス。ホームの人に向けての注意ならまだしも,すでに乗っている人には意味をなさないアナウンス。恐らく,飛び乗ってきた乗客にその非を諭すよう,語句を強めて「ドアが閉まりかけてからの乗車は危険ですからおやめください」のつもだったのでしょう(たぶん)。それを,できるだけ早く注意しようとして,結果,わけのわからないアナウンスになってしまった…。また別のある日,スーパーマーケットの試食販売コーナーでのこと。新しい野菜ジュースの売り込み。「ジュース感覚で飲めるんです」と言うものですから,「それって野菜ジュース,ジュースなんですよね」と突っ込みを入れてしまいました。まあ,フルーツジュースのように飲みやすいということなのでしょうけれど。意を人に伝えることの難しさ。
休日の昼間,「◎◎霊園のものですが」と,たまに墓地勧誘電話があります。ちょっと前までは塾の勧誘だったのですが。で「ものさん?」と聞き返すと,きょとんとして「はい」と答えるので,「随分変わったお名前ですね」と,ひとしきり突っ込みを入れ,勧誘電話を楽しんでおります。でも,自らの名を名乗らないのは失礼なこと。私が電話するときには,もちろん,名乗りますが,まず社名が長すぎるのか,取り次がれるときは「先生,メディカルファイナンスからお電話です」という声が受話器越しに聞こえます。で「原稿締切が…」と私。受話器の向こうからは「もう少し待って」の返事に,この先生,怪しい借金取り(本当は気の弱い原稿取りです)に追われている人だと思われるだろうなと,これにはまいります。
コミュニケーションの重要さはわかってはいるものの(そのこと自体を認識していない人が多いといいます),その技法をいかに身につけるか。おしゃべり上手であることとコミュニケーションが上手であることとはまったくの別物だけに,これは難問。ということで,来年春の出版を目指し,現在Oxford大学出版局発行の“Handbook of Communication in Anaesthesia and Critical care”の制作が進められています。手術室やICUにかかわるスタッフ相互の関係を円滑にし,患者にとって最良の結果を残す当たり前のことが満載。それにしても,麻酔科医と外科医の関係,日本も英国も同じなんだと思わず納得。ご期待ください。
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