症例検討 モニタリングのトラップ
―僧帽弁形成術における肺動脈カテーテルのトラブル―本当に肺動脈閉塞圧が得られていないのか? まずは手を止めて,深追いはしない
山本 真理子
1
,
北 貴志
1
YAMAMOTO, Mariko
1
,
KITA, Takashi
1
1大阪警察病院 麻酔科
pp.1120-1124
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101385
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
48歳の男性。身長173cm,体重65kg。労作時の呼吸困難があり受診。心エコー図検査で腱索断裂による僧帽弁逸脱症,Ⅱ度(中等度)の僧帽弁閉鎖不全症と診断された。僧帽弁形成術が予定された。軽度の高血圧があるほかは,特に既往歴はない。ミダゾラム,フェンタニル,ロクロニウムを投与し,麻酔導入,気管挿管を行った。右内頸静脈から肺動脈カテーテルを挿入し,47cm挿入したところで肺動脈圧(PAP)波形が観察された。しかし,57cmまで肺動脈カテーテルを挿入しても,PAP波形は変化したように見えたが,肺動脈閉塞圧(PAOP)は得られなかった。
Copyright © 2011, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.