症例検討 脊髄くも膜下麻酔~だから脊麻はすごい,だから脊麻はこわい~
―循環と呼吸への影響と鎮痛メカニズム―重大な合併症は麻酔開始後早期に発生しやすい 患者観察と準備を怠ってはいけない!
益田 律子
1
MASUDA, Ritsuko
1
1東海大学医学部付属東京病院 麻酔科
pp.992-997
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101359
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超音波画像による区域麻酔法の進歩,新世代全身麻酔薬・麻酔補助薬の登場,周術期抗凝固療法の推進から,脊髄レベルの麻酔法に寄せられる関心は以前と比べて低くなっている。しかし,意識と気道に影響することなく迅速で確実な効果発現が得られる利点と,高価な医療器材を必要としない利点から,脊髄くも膜下麻酔(脊麻)は,産科,泌尿生殖器外科処置,緊急外科処置,災害時医療で欠かすことはできない。今後もしばらくの間,脊麻は麻酔科医にとって重要な麻酔法であるに違いない。
本稿では,脊麻のメカニズム,循環と呼吸に及ぼす影響,重大な合併症を避けるための要点について再確認する。
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