特集 帰してはいけない外来患者
【Clinical Pearls】
かぜの後の怠感に潜むものは?
原田 唯成
1
,
菅ヶ谷 純一
2
,
福本 陽平
1
1山口大学医学部附属病院総合診療部
2筑波メディカルセンター病院総合診療科
pp.54-55
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100843
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■症例
患者:42歳,男性.
現病歴:1週間ほど前から間欠的な上腹部の腹痛があり,食欲もないため,4日前に外来受診.腹部所見には異常なく,便通異常も発熱もないが,咽頭発赤と鼻汁があり,制吐剤および感冒薬の処方を受け帰宅した.次の日の夜,今度は尿閉にて夜間救急外来を受診.翌日泌尿器科を受診するも原因ははっきりせず,服薬中止の指示を受けて帰宅した.しかしその後も尿閉が続き,全身倦怠感,食欲不振もあるため入院となった.
既往歴:洞性頻脈.
身体所見:印象;だらしない感じ.意識清明.血圧130/68mmHg,脈拍数120/分 整,体温36.5℃.腹部;上腹部に軽度圧痛あり.神経;四肢腱反射異常なし.
入院時検査所見:WBC 15,900/μl,Hb 13.8g/dl,Plt 33.8×104/μl,Alb 4.7g/dl,BUN 18.2mg/dl,Cre 0.9mg/dl,T-cho 242mg/dl,TG 109 mg/dl,AST 16 IU/l,ALT 23 IU/l,LDH 327 IU/l,T-Bil 0.8mg/dl,CPK 206 IU/l,Na 139 mEq/l,K 5.2mEq/l,Cl 103mEq/l,CRP 1.5mg/dl.胸部・腹部X線写真:異常なし.
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