症例検討 食道手術の麻酔
食道癌根治術―術後管理を見越した肺保護戦略が成功のカギ
山口 敬介
1
,
竹内 和世
1
YAMAGUCHI, Keisuke
1
,
TAKEUCHI, Kazuyo
1
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座
pp.606-610
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101267
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症例
64歳の男性。身長170cm,体重57kg。この3か月で体重が3kg減少し,ものが飲み込みにくいことを主訴に来院した。精査の結果,早期の食道癌と診断され,食道全摘術と再建術が予定された。20本/日×30年の喫煙歴があるが,1か月ほど前からタバコがおいしく感じられず禁煙している。15年来の高血圧があり,カンデサルタン シレキセチルとアムロジピンを服用している。入院時の血圧は140/88mmHg, 心拍数76bpm。呼吸機能検査では1秒率が73.5%と,軽度の閉塞性障害を認めた。自己血貯血4単位を行った後のヘモグロビン値は,11.2g/dLであった。その他,特記すべき検査所見はない。
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