特集 ベンチレータと生きる人々—求められる地域生活支援
急性期からの自力呼吸訓練—地域での自立生活を見越した訓練とは
笠井 史人
1
,
依田 光正
1
,
高崎 幸雄
1
,
水間 正澄
1
1昭和大学リハビリテーション医学診療科
pp.133-137
発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903899
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自力呼吸の必要性
ベンチレータを長期使用する疾患にはいろいろあるが,本稿では自立生活を見越した急性期からの自力呼吸訓練という主旨より,高位頸髄損傷を対象に解説する.
近年の救急医療の進歩と普及は,医療全体に大きな変革をもたらした.高度医療技術により救命率が向上する一方,救命患者に残存する障害も重度化している.残念ながらわが国のリハビリテーション(以下,リハ)医療はそこに追従できていない.約20年前まで頸髄損傷発生数は胸腰髄損傷より少なかったが,現代では脊髄損傷発生者の75%は頸髄損傷であるという1).Whiteneckらは,医療の進歩に合わせ脊髄損傷者は対麻痺から四肢麻痺の時代に変遷し,1980年代以降は高位頸髄損傷の時代に突入したと表現している2).
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