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今月の薬は(±)-4,5-dihydro-6-[2-(p-methoxyphenyl)-5-benzimidazolyl]-5-methyl-3(2H)-pyridazinone
中木 敏夫
1
1帝京大学医学部 薬理学講座
pp.193
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101149
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- 文献概要
今月は(±)-4,5-dihydro-6-[2-(p-methoxyphenyl)-5-benzimidazolyl]-5-methyl-3(2H)-pyridazinoneを取り上げる。先頭の(±)は立体配置に関する情報であり,本欄では無視する。
[ ]内をXとおくと,この構造式は4,5-dihydro-6-[X]-5-methyl-3(2H)-pyridazinoneのようになる。まず3(2H)-pyridazinoneから考える。これはpyridazine骨格の3位に-oneすなわちケトン基が結合した構造である(図1a)。この4位と5位は飽和している。6位にはXが結合しており,5位にメチル基,3位にケトン基が結合している。したがって構造式は図1bのようになる。Xは2-(p-methoxyphenyl)-5-benzimidazolylであるが,まずbenzimidazoleは図1cである。つまり,5-benzimidazoleは5位を介して図1bの基本骨格と結合している故図1dのようになる。このbenzimidazoleの2位にp-methoxyphenylが結合しているためXは図1eのようになる。したがって,全体の構造は図1fのようになる。
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