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pp.1234-1235
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101106
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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Slutsky AS. Neuromuscular blocking agents in ARDS. N Engl J Med 2010 ; 363 : 1176-80.
Article:
Papazian L, Forel J-M, Gacouin A, et al. Neuromuscular blockers in early acute respiratory distress syndrome. N Engl J Med 2010 ; 363 : 1107-16.
急性呼吸促迫症候群(ARDS)は,いまだに死亡率が40%を超えるような重大な病態である。私がMGHでICUフェローをしていた1980年代には,ARDSの患者で,どうしても十分な酸素化や換気ができない場合には,十分量の鎮静薬と筋弛緩薬の投与を呼吸状態が改善するまで何日も,時には数週間も行っていた。当時は,10~12mL/kgという大きな1回換気量を用いた人工呼吸が一般的であり,筋弛緩にはパンクロニウムを用いることが多かった。今回のPapazianらの多施設無作為化プラセボ対照二重盲検研究では,発症から48時間以内のARDS初期の患者を対象とし,1回換気量を6~8mL/kgとし,SpO2を88~95%,あるいは動脈血酸素分圧を55~80mmHgに保ちながら,cisatracurium群と,プラセボ群に分けて死亡率や合併症発生率,人工呼吸器不要日数などについて検討している。
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