徹底分析シリーズ 麻酔薬は敵か味方か2 麻酔薬の二面性に迫る!
巻頭言
内野 博之
1
1東京医科大学 麻酔科学教室
pp.1163
発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101087
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- 文献概要
今回は,「麻酔薬は敵か味方か」の第二弾です。前号は小児や成人の脳への麻酔薬の影響や,集中治療室における鎮静薬の影響を述べていただきました。今回は,「麻酔薬の二面性に迫る!」と題して,さらに内容をパワーアップしてお届けします。
静脈麻酔薬,吸入麻酔薬の神経保護作用,局所麻酔薬の神経保護作用や毒性に触れています。さらには,麻酔薬の神経毒性の基礎的なメカニズムとして小胞体を基盤とする細胞内カルシウムホメオスタシスの破綻とそれに続発するミトコンドリア機能不全との関係,幼若脳に対する麻酔薬の神経毒性とGABA受容体の関係,冬眠の全身麻酔への応用の可能性について,その道のプロの方々に考えを述べていただき,われわれが日常で使用している麻酔薬の脳への影響を多方面から検討を加えていただきました。これらの討論にもとづいて,安全な麻酔管理を構築するためにはいかにあるべきかを模索していく手掛かりが得られることを期待しております。
はたして麻酔薬は敵なのか味方なのか?本徹底分析が,麻酔薬の神経系への作用に対して,読者の疑問に少しでも応えることができたら幸いであります。
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