徹底分析シリーズ 周術期管理に必要な抗血小板療法の理解2
抗血小板療法のエビデンスと処方の実際:脳梗塞
山崎 昌子
1
,
内山 真一郎
1
YAMAZAKI, Masako
1
,
UCHIYAMA, Shinichiro
1
1東京女子医科大学 神経内科
pp.516-521
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100946
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脳梗塞や一過性脳虚血発作transient ischemic attack(TIA)の大多数は血栓による脳動脈の閉塞によって生じる。したがって,発症機序に応じた抗血栓療法を行うことが治療の基本となっている。
脳梗塞は,その発症機序から大きく心原性脳塞栓症と非心原性脳梗塞とに分類される。心原性脳塞栓症の大多数は,心腔内に形成されるフィブリン主体の血栓が塞栓源となるため,抗凝固療法が適応となる1,2)。一方,非心原性脳梗塞の大多数は,動脈内に形成される血小板主体の血栓が原因となるため,再発予防には抗血小板療法が適応となる1,2)。
非心原性脳梗塞に対する抗血小板療法の有効性は確立しており,急性期から慢性期にかけて,症状の進行や再発を予防する目的で抗血小板療法が行われている1~8)。本稿では,非心原性脳梗塞における抗血小板療法のエビデンスについて概説し,周術期の管理を含めた問題点について述べる。
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