疾患と検査値の推移
脳梗塞に対する抗血小板療法の血小板凝集能検査によるモニター
山崎 昌子
1
,
内山 真一郎
1
1東京女子医科大学神経内科
pp.965-971
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101034
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はじめに
脳梗塞や一過性脳虚血発作に対する抗血小板療法の有効性は多くの無作為化比較試験やそれらのメタ解析により証明されている1)が,これらの試験において血小板機能のモニターは行われていない.血小板凝集能検査による抗血小板療法のモニターは,限られた施設でのみ検討され,臨床試験の成績に乏しいのが現状である.抗血小板療法は,抗凝固療法に比べて薬効の個体差が小さく著明な出血傾向が出現することは稀であることからモニターの必要性が低いこと,適切なモニター法が確立されていないことから,一般的には血小板機能を評価せずに行われている.しかし,近年は,アスピリン抵抗性など抗血小板薬による薬効が不十分な症例が注目されていること,有効性を高めるために二剤併用療法などの強力な抗血小板療法が検討されていることから,血小板機能をモニターする必要性は高まっている.本稿では,脳梗塞について概説した後,当科の症例における血小板凝集能検査の推移を紹介する.
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