症例検討 電解質異常とその治療(その2)
急速輸血による低カルシウム血症:メカニズムを理解すれば,針の穴から天上は覗ける
加藤 洋海
1
Hiromi KATO
1
1兵庫県立がんセンター 麻酔科
pp.362-365
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100911
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症例
52歳の女性。身長158cm,体重60kg。子宮体癌に対して,子宮全摘術,両側付属器摘出,骨盤リンパ節および傍大動脈リンパ節郭清が開始された。術中出血量は6000mLに達し,自己血800mLに加えて晶質液4000mL,代用血漿1000mL,5%アルブミン液1500mL,MAP加濃厚赤血球液16単位,新鮮凍結血漿6単位を投与して循環動態の安定化を得た。閉腹になって,麻酔を担当する研修医から,「カルシウム剤の投与は必要ないでしょうか?」と問われた。
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