今月の主題 よくわかる内分泌疾患
内分泌疾患のスクリーニング検査から鑑別診断まで
低カルシウム血症
森 聖子
1
,
松本 俊夫
1
1東京大学医学部・第4内科
pp.1907-1909
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901213
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血清カルシウム(Ca)は8.5〜10.2mg/dlときわめて狭い範囲に維持されている.血清Caのうち,約半分はイオン化Ca(Ca2+)として存在する.一方,約40%はアルブミンなどの蛋白と結合しており,残りの約10%はリン酸や,クエン酸などと複合体を形成している.このうち副甲状腺ホルモン(以下,PTHと略す)や1,25水酸化ビタミンD[1,25(OH)2D]などのCa調節ホルモンの作用により調節されているのはCa2+濃度である.
ところが血清アルブミン濃度などに異常があると,血清総Ca濃度もその影響を受けるため,血清アルブミン濃度から血清総Ca濃度を補正して,Ca2+濃度を推測する必要がある.通常,血清アルブミン濃度が4mg/dl以下の場合には下記の補正式により比較的良好な血清Ca2+濃度の推定が可能である.
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