徹底分析シリーズ 麻酔科医の知らなければいけない免疫
術中のアナフィラキシーショック:疑ったときは直ちに皮膚・粘膜所見をチェック!迅速な診断が治療成功のカギ
光畑 裕正
1
Hiromasa MITSUHATA
1
1順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター 麻酔科・ペインクリニック教室
pp.876-883
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100748
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症例
35歳の男性。身長172cm,体重65kg。反復する下腹部痛があり精査したところ,回盲部腫瘍と診断された。アボガド,キウイに対して,アレルギーがあるという病歴以外は特記すべき既往歴はない。回盲部腫瘍摘出術のため開腹手術が予定された。
プロポフォールとロクロニウムで麻酔導入と挿管が行われ,麻酔導入後に抗菌薬を10分ほどかけて点滴静注した。セボフルランとフェンタニル静注で麻酔が維持された。開腹から15分程度経過後,SpO2が99%から70%に急激に低下するとともに,気道内圧が上昇した。収縮期血圧も80mmHg台に低下し,脈拍数は110bpmであった。両肺の呼吸音聴取は不良であった。エフェドリンを投与したが,血圧はさらに低下傾向であり,心拍数は120bpmとなった。
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