徹底分析シリーズ LMA・声門上器具
私のコツを教えます!
LMA Fastrach:下顎挙上と上顎後屈で,道は開ける
高橋 巨
1
Hiromu TAKAHASHI
1
1由利組合総合病院 麻酔科
pp.728-731
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100715
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LMA FastrachTMを使うときのコツの第一歩は,構造をよく知っておくことだ。LMA ClassicTMに比べてFastrachではチューブからカフに繋がるランプの傾斜が急峻になっている。これは気管チューブを誘導するためだが,LMA ProSealTMに至ってはその密着性からそのもの自身が気管チューブの代わりを果たそうというもので,ランプはほとんど平たんになっている。
次に,結果でなく途中経過を考えることだ。ほとんどの気道確保器具はそのものが納まった時の形状に合わせてできている。したがって,挿入途中は入れづらいなど不利な点も生じている。何を優先して作ってあるかを考えることだ。最後は,手技自身がかえって逆効果になることもある,と知っておくことだ。喉頭鏡は声門を直線直視するためのものだが,展開するために喉頭を腹側に引き上げて,かえって声門が視野から外れBURPで補正しなければならないときもある。こういった視点でFastrachの挿入から挿管までを考えてみたい。
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