特集 訪問での精神科作業療法
コラム:ひきこもり,未治療者,治療中断者へのアウトリーチ
真下 いずみ
1,2,3
1藍野大学
2藍野大学大学院
3若年者等就労支援拠点サザン京都
pp.1263-1265
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001204019
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
ひきこもりは,さまざまな要因の結果として社会的参加を回避し,原則6カ月以上にわたって,おおむね家庭にとどまり続ける状態を指す現象概念である1).日本では15〜64歳でひきこもり状態にある人は推計146万人に上り2),国家的な課題となっている.近藤ら3)は,ひきこもり当事者の80.9%が精神科診断基準を満たしたと報告しており,筆者の調査4)でも当事者のうち精神科通院の中断者が55%に上った.すなわち,ひきこもっている人の中には,未治療者,治療中断者が包含されているが,当事者は援助を求めて行動しないか,できないことが多いことからひきこもりは長期化しやすい.そこで解決の糸口となるのが,アウトリーチ(訪問)である.本稿では,ひきこもり状態にある人への訪問の特徴を概説する.
Copyright © 2024, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.