徹底分析シリーズ セボフルラン
セボフルランの医療経済
安田 信彦
1
Nobuhiko YASUDA
1
1学校法人慈恵大学 経営管理研究室
pp.432-435
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100648
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医療を提供する者にとって経済の話は耳の痛い話である。誰しも最高の医療を受けたいし,提供するほうも最高のものを患者に提供したい。しかし,現実には誰かが医療費を払う必要がある。わが国の場合は,一部の自己負担を除けば,国民がプールしたお金から支払われている。
どのような医療サービスを受けるかは,医師から示された選択肢のなかから患者が選ぶ。しかし,その選択肢を決めるのは医師である。麻酔の場合は,麻酔科医が麻酔方法の選択肢を決めていて,全身麻酔または局所麻酔の選択を患者が行っても使用する薬物の選択には及ばない。
医師は患者の立場に立って決定を下すのは当然だが,国民のお金を使っていることを忘れてはならない。その点で,医療行為を行う際には,医療経済に与える影響も念頭に置く必要がある。
そこで,今回はセボフルランの特集の一部として医療経済面に触れる。まずは,低流量麻酔の経済的意義を解説し,プロポフォールを使用したTIVAとの比較を行うこととした。なお,吸入麻酔薬であろうが,静脈麻酔薬であろうが,実践的な使用方法に関しては,麻酔科医の裁量の幅が広く,また,国や地域によって価格の事情も違うので,ここでは概要的な内容に留める。
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