徹底分析シリーズ セボフルラン
セボフルランの毒性:過ぎ去りし,コップの中の嵐
樋口 秀行
1
Hideyuki HIGUCHI
1
1東京女子医科大学 麻酔学教室
pp.422-430
発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100647
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セボフルランには腎毒性のおそれがあるということで,米国でいったん開発が断念されたという経緯がある。その後,日本に渡り,浜松医科大学が中心となって研究を行い,世界に先駆けて1991年にわが国で発売されたのであるが,発売当初は,まだ,腎毒性の懸念は完全に払拭されていたわけではなかった。そのため,長時間(低流量)セボフルラン麻酔を避けることが望ましいとされていた。筆者は長時間麻酔におけるセボフルランの安全性を検証すべく臨床研究を重ね,その成果をAnesthesiology誌やAnesthesia & Analgesia誌に発表してきた。
本稿ではセボフルランの毒性について述べるが,ここはLiSAであるということで,通常の総説とは少し趣を変え,その時の査読者との壮絶なやりとりを含め,自伝的に述べたいと思う。
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