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増大号 計測する項目と記録断面がわかる! 病態別・類似疾患別心エコー検査のルーティン
各論(心エコー類似所見別または病態別)
3章 心筋症/心筋炎
拡張型心筋症
Dilated cardiomyopathy (DCM)
谷口 京子
1
1近畿大学病院中央臨床検査部
pp.443-448
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202975
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基礎知識
拡張型心筋症は“左室のびまん性収縮障害と左室拡大を特徴とする疾患群”と定義される1).拡張型心筋症の発症には遺伝子異常やウイルス感染,免疫異常などの関与が考えられており,20〜40%が遺伝性であると報告されている.確定診断には,類似疾患や種々の二次性心筋症を除外する必要があり,経過や家族歴,身体所見,血液検査,冠動脈造影検査,心臓MRI検査,心筋生検,遺伝子検査などを総合的に判断する1)(表1).拡張型心筋症の有病率や予後については正確な報告がいまだなされておらず,基本病態は慢性心不全症状を特徴とし急性増悪を繰り返す予後不良・進行性の疾患である.
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