徹底分析シリーズ 区域麻酔のControversies
脊硬麻は,needle-through-needle法で行うべきか,別々の棘間で穿刺すべきか
高橋 麗子
1
Reiko TAKAHASHI
1
1石川県立中央病院 麻酔科
pp.202-205
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100601
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脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(CSE)は,脊髄くも膜下麻酔(脊麻)と硬膜外麻酔(硬麻)を同時に行う方法である。麻酔効果の発現が速く,仙髄領域の麻酔が確実であるという脊麻の利点と,調節性がよく,長時間手術に対応でき,さらに術後鎮痛にも使用できるという硬麻の利点を併せ持つ。
CSEには,1か所穿刺法と2か所穿刺法がある。1か所穿刺法は,脊麻と硬麻を同一棘間で行う方法で,その代表はneedle-through-needle法である。これは,硬膜外腔に留置した硬麻針を通して脊麻針を穿刺し,くも膜下腔に局所麻酔薬を投与したのち,脊麻針を抜去し,硬膜外カテーテルを留置する方法である。一方,2か所穿刺法は,脊麻と硬麻を別々の棘間で穿刺する方法で,通常は先に硬麻針によって硬膜外穿刺を行いカテーテルを留置し,その後,尾側の棘間で脊麻を行う。
「needle-through-needle法で行うべきか,別々の棘間で穿刺すべきか」を決定するために,まず両穿刺法の特徴を検証することにする。
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