徹底分析シリーズ 麻酔導入法
成人の麻酔導入:麻酔導入薬の特性を理解し,術中の緊急事態に備えよう!
安田 信彦
1
Nobuhiko YASUDA
1
1東京慈恵会医科大学
pp.942-945
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100428
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局所麻酔や区域麻酔も「導入」されるが,ここでは全身麻酔の導入について,主にその導入に用いる麻酔薬や麻酔補助薬に関して述べる。成人と小児の麻酔導入の大きな相違点は,成人の場合は患者の理解と協力を得られることが多いことである。しかし,麻酔と手術への恐怖や不安を持ちながらの協力であることを忘れてはならない。したがって,麻酔の導入は,恐怖や不安を増大させないために,円滑かつすみやかに行うことが望ましい。
患者は「まな板の上の鯉」のごとく,手術台の上でじっとしているように見えるが,前投薬で強力に鎮静されている場合を除き,麻酔科医や看護師などの一挙一動に耳を澄ましている。手術室スタッフのうかつな言動や行動は,患者の不安をあおることになるので注意しなければならない。何も麻酔薬の投与のみが麻酔の導入ではない。患者が手術室に到着して麻酔科医の管理下に置かれた時点から麻酔の導入が始まっている。
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