連載 薬物動態を理解しよう
第7回:静脈内反復投与
中木 敏夫
1
1帝京大学医学部薬理学
pp.614
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100349
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前回は血管内に持続的に薬物を注入する場合の薬物動態について検討した。今回は,毎回同じ量の薬を間欠的に静脈内に繰り返し投与する場合について検討しよう。この場合は持続注入とは異なり,血清濃度が上下に動くことがイメージできるであろう。すなわち,投与直後の濃度が高く,次の投与直前の濃度が最も低いというパターンである。
間欠的投与を繰り返してゆくとどうなるであろうか。投与間隔中の平均濃度を計算してみると,実はこの平均濃度のレベルは持続注入の場合と同じように考えることができる。たとえば,ある薬を1mg/hrの速度で血管内に注入する場合と,6時間ごとに6mg投与する場合を比較してみる。6時間ごとに6mg投与する場合は1時間当たりに直せば1mgとなり,持続注入の場合と同じになる。この両者の定常状態での濃度を比較すると,持続注入時の濃度と間欠的投与の平均濃度が等しくなるということである。これを図1に示した。
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