追悼
古川復一先生を偲ぶ
長山 登
1
1全国精神障害者家族連合会
pp.216
発行日 1974年2月15日
Published Date 1974/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202149
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昭和30年代の後半,民間の強い反対を押し切って,当時としては新しいセンスの,しかもしょうしゃな県立友部病院をつくられた,故古川先生のご功績は万人の認めるところでありますが,それに加えて私たちがいたく感激しましたし,先駆者として尊敬していることは,家族も治療チームのメンバーであるという考えを,職員にも,また家族にも徹底させるとともに,病院治療のすべてを家族に公開したということであります。
素人に何がわかるのか,口をはさむな,患者のことは病院に委せておけ,といったことがごく当り前のこととして通用していた時代に先生は,家族は精神科の治療について知る権利がある,また病院はそれを知らせる義務があるという考えのもと,12の病棟全部に「病棟家族会」をつくり,治療者と家族の対話や家族の一日看護体験などを試み,家族の意識の変革を実践されました。
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