徹底分析シリーズ 緩和医療を考える
大学病院における緩和ケアチーム活動のやりがいと苦労話
井関 雅子
1
,
井澤 里香
1
Masako IZEKI
1
,
Rika IZAWA
1
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座/緩和ケアセンター
pp.252-254
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100241
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大学病院に対して抱くイメージは,急性期医療や高度先進医療を行うために,ハイテク機器を用いて最新の医療技術を提供する場という感じが一般的である。癌治療においても,先端的手術,化学療法,放射線治療など,いわゆる積極的治療を行うという役割を担っている。その中でも,患者・家族に対する緩和ケアの導入は決して終末期にのみ行うものではないということを,現在では医療従事者の大半が認識はしている(図1)。
しかし,担当医師や病棟看護師が膨大な仕事量に飲み込まれて,実際には痛みをはじめとする患者の身体的苦痛や患者・家族の思いが二の次にされてしまう危険性もある。また,専門性が進む医療の現場で,担当医がすべてをカバーすることは知識的にも経験的にも困難である1)。そこで,お助け人として考えられたのが緩和ケアチームである。担当医と病棟看護師をサポートしながら,患者・家族へのコミュニケーションをはかり,何が患者に必要かを評価して,担当医や看護師にフィードバックするといったことが緩和ケアチームの主な仕事である。
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