特集 訪問看護と保健婦の活動—横浜の保健婦が体験しつつあるもの・1
訪問看護婦の声
ケースの笑顔にやりがいを覚えて
池田 小夜子
1
1横浜市戸塚保健所
pp.413-414
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205994
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訪問看護の仕事を始めて約2年が過ぎた。この間には多種多様なケースに遭遇した。例えば脳卒中後遺症により全面介助を要する寝たきり状態の人,難病・精神障害の老人,大きな褥創を持った人達である。看護状況もいろいろで,なかには割箸で摘便をしたり褥創に新聞紙やチリ紙が当てられているといった実態を見て,全く驚かされることがある。17年,20年という長期間の看護に,看護者である家族が肉体的にも精神的にも疲労しきっているなどの現実に接するとき,家庭において家族の手で世話をすることに限界を感じる。自治体としていろいろの面から援助する必要を痛感すると同時に,病院のなかだけでなく家庭においても専門的看護が行われなければならないと思う。
特に老人看護は多様な対応が必要である。即ち同一規準による同一看護を当てはめにくいので,訪問の中でケースの特性をよく把握し,個別により良い看護を家族(看護者)とともに作り上げていかなければならないと思う。ここに事例を挙げて意見を述べてみたい。
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