症例検討 血液疾患患者の麻酔
へパリン起因性血小板減少症(HIT):ヘパリンにより血小板減少,血栓症が生じることを認識し,すみやかな診断と治療を
瀬尾 勝弘
1
,
近藤 香
1
Katsuhiro SEO
1
,
Kaori KONDO
1
1社会保険小倉記念病院 麻酔科・集中治療部
pp.718-722
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100158
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症例
56歳の男性。身長165cm,体重78kg。呼吸困難,胸痛を自覚し,心電図検査,心臓超音波検査,心臓カテーテル検査で3枝病変の急性心筋梗塞と診断された。右冠動脈のバルーン拡張術を施行したが,左冠動脈(LMT)病変は拡張できなかった。へパリン2万単位/日の持続投与が開始された。心不全も併発しており,大動脈内バルーンパンピング(IABP)を留置し,心不全の改善を待って,心臓カテーテルによる右冠動脈拡張術の3日後に心臓拍動下冠動脈バイパス術が予定された。入院時の血小板数は24万/μLであったが,手術前日には,8万/μLにまで低下し,HITが疑われた。
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