症例検討 血液疾患患者の麻酔
特発性血小板減少性紫斑病:帝王切開術の麻酔方法はできるかぎり区域麻酔で
笹栗 智子
1
,
中島 幹夫
1
Tomoko SASAGURI
1
,
Mikio NAKASHIMA
1
1佐賀大学医学部附属病院 麻酔科・蘇生科
pp.714-717
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100157
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症例
28歳の女性。身長162cm, 体重60kg, 妊娠36週。前回帝王切開による予定帝王切開について相談された。18歳より特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と診断されていたが,現在内服等はない。27歳時に,分娩停止で緊急帝王切開となったが,その時点でITPのコントロールは良好で,血小板数は12万/μLと保たれており,脊髄くも膜下麻酔で問題なく施行された。今回の妊娠経過では,35週頃より血小板数が低下し,相談の時点で,血小板数は9万/μLであった。
経過
血液内科との協議により,ステロイド投与を開始したが,反応性が悪く,37週の時点で血小板数は6万/μLまで低下した。γグロブリン大量療法の併用を行い,血小板の10万/μLまでの増加を確認できた。
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