症例検討 血液疾患患者の麻酔
化学療法後の汎血球減少症:抗癌剤による副作用からの回復を待って手術,症状に合わせた麻酔管理を
山田 清恵
1
,
坪川 恒久
1
Kiyoe YAMADA
1
,
Tsunehisa TSUBOKAWA
1
1金沢大学大学院医学系研究科 麻酔・蘇生学講座
pp.710-713
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100156
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
4歳の男児。身長120cm,体重14kg。発熱,顔色不良を主訴に来院。その際,腹部腫瘤を認め,検査の結果,神経芽細胞腫と診断された。全身のCTでは,右副腎の腫瘍と頸部リンパ節転移を認めた。組織診断のために生検術が予定され,同時にHickmanカテーテルが留置されることとなった。
化学療法3クール終了直前にカテーテル感染が疑われ,全身麻酔下でHickmanカテーテルを抜去した。その後感染が落ち着いたため,化学療法を再開するにあたり,再びカテーテルを留置することになった。白血球1500/μL,好中球分画700/μL,血小板5万/μL,CRP 1.0mg/dL。
5クールの化学療法終了後,副腎腫瘍摘出術およびリンパ節郭清が予定された。白血球4500/μL,好中球分画2500/μL,血小板13万/μL。
Copyright © 2008, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.