徹底分析シリーズ 非常時:病院と患者とあなたを守るために
病院の災害対応計画:非常時リスクの評価と備え
勝見 敦
1
,
須崎 紳一郎
1
,
原田 尚重
1
Atsushi KATSUMI
1
,
Shinichiro SUZAKI
1
,
Naoshige HARADA
1
1武蔵野赤十字病院 救命救急センター
pp.758-763
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100153
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災害発生時の心構えとは「とっさの気転と妥協の即応性」(榊原 弥栄子,神戸市立中央市民病院)
非常とは日常でないこと。当然,“普段できること”ができず,“いつもは考えられない事態”が次々と折り重なって到来し,現場は騒然となる。したがって,平時からの対応を検討立案しておくことはきわめて重要だが,そうは言っても紙の上だけの「病院防災計画(マニュアル)」の何と多いことか。計画には合理的な骨格をもたせることと,そして何より,想像力豊かで柔軟性が必須である。
一方,災害訓練と言えば,シナリオがあって大規模災害であっても整然と進行させる参加者の意識を無視した訓練がいまだ存在している。訓練立案者には参加者の意識を引き出す技量能力が求められる。想定する災害を実感的イメージとして,立案者,参加者ともにどのくらい共有できているか。これだけで訓練の意義が大きく変わる。
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