非常時の保健活動(3)
非常時におけるLocal Levelの保健と医療サービスについて
Agapito A. Dimaandal
1
,
森本 忠良
2
1Municipal Health Officer of Batangas
2東京都五日市保健所
pp.425-426
発行日 1968年10月15日
Published Date 1968/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203760
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被災地San Nicolas,Agoncilloへ
小生は,フィリピン現代史における最悪の悲劇を経験した,Batangas州の首都Batangas町のMunicipal Health Officer(MHO)である。
過去数週間,高温のために休息状態であったTaal火山は1965年9月28日の早朝,突然に震動とともに悪化して火と煙と溶岩を噴き出し,数千の家族に一時,家を失わしめ,数百人を永久にその住家から追い出した。MHOとして,住民の健康と福祉に関してまっ先に頭にひらめいたことは,災害の状況に勇ましくたち向かうことと,被災者に役所が手をさしのべうることがいかに少ないかということであった。Provincial Health Officer(PHO)の承認を得て,保健所職員は初療用医薬品を持って,Taal湖岸にあってTaal火山に面したSan Nicolasの町へと進んだ。San Nicolasに到着してみると,町は荒廃し,住民はより安全な場所に避難していた。次にAgoncilloを訪れたが,そこもTaalの湖岸にあり,San Nicolasと同様の状況であった。その朝は被災者の救助については何らなすところがなかった。PHOと州の何人かのMHOからなる一行はTalisayに向かい,私はBatangasに戻って待機し,次の指示を待つように命ぜられた。
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