症例検討 不整脈
冠動脈疾患患者における心室頻拍:冠灌流圧維持のため,早め早めの対処が重要
讃井 將満
1
,
塩塚 潤二
1
Masamitsu SANUI
1
,
Junji SHIOTSUKA
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科・集中治療部
pp.606-610
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100120
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症例
69歳の男性。身長174cm,体重88kg。不安定狭心症と診断された。冠動脈造影では,左主幹動脈に50%の狭窄,左前下行枝近位部に90%,左回旋枝に90%の狭窄を認め,右冠動脈(#4PD)は100%狭窄であった。心エコー図検査では,全般的壁運動低下を認めた。左室駆出率は48%であった。ニコランジルとへパリン持続静注をされている。
経過
心臓外科医が冠動脈の状態を見ようとして心臓を脱転したところ,心室頻拍となり,血圧は50mmHgとなった。
経過
処置により洞性脈となり,血圧も安定した。まず,左前下行枝に左内胸動脈でバイパスをすることになった。心臓を持ち上げ,左前下行枝にスネアをかけたところ,心室細動となった。
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