徹底分析シリーズ ロクロニウム
特殊疾患での使用上の注意点,問題点
新谷 知久
1
,
山蔭 道明
2
Tomohisa NIIYA
1
,
Michiaki YAMAKAGE
2
1市立旭川病院 麻酔科
2札幌医科大学医学部 麻酔学講座
pp.24-28
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100006
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ベクロニウムと同様に考えよう!
これまで述べられてきたように,ロクロニウムは現在頻用されているベクロニウムと同様,ステロイド核を有する非脱分極性の筋弛緩薬であり,その神経筋接合部への作用性は非常に類似している。効果発現時間が短いなど若干の違いはあるが,これはロクロニウムとベクロニウムのアセチルコリン受容体に対する力価の差異によって説明がつく。また,循環器系への影響がほとんどない点や,代謝・排泄経路もベクロニウムと同様である。このため,筋弛緩薬の作用が変化するような特殊疾患・状況においても,ロクロニウムはベクロニウムと同様な注意点が挙げられる。
本稿では,神経筋接合部に異常をきたす疾患として①Duchenne型筋ジストロフィー,②重症筋無力症,③熱傷,また筋弛緩薬の作用が変化する状況として④低体温について,ロクロニウムの使用上の注意点について述べる(表1)。
Copyright © 2008, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.