臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
胆道系
検査上の注意点
pp.2198
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217489
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胆道のCT検査においては,他の検査法と同様,少なくとも検査前6時間程度の絶食が必要である.これは胆道系,とくに胆嚢の収縮を防ぐためと,造影剤に対する反応に対処するためである.
尿路造影用経静脈性造影剤(meglumine iothalamateなど)の使用は,器官の識別を容易にし,門脈などの血管系を造影する利点があり,一般に胆道系疾患の読影に貢献する.胆道造影用経静脈性造影剤(meglumine iodipamideなど)は,正常胆道系を識別するには都合がよいが,後述するように,胆道疾患のうちCTの主対象の1つは閉塞性黄疸であり,ここでは,この種の造影剤はあまり役に立たず*,逆に閉塞機転のない場合(すなわち正常に胆道系に排泄された場合)には,濃縮されるため胆道内の病変は隠されてしまうことがある.このため胆道造影剤は,特殊な目的に利用されることはあっても,一般的には使用することはない.
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