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特集 生物々理—生理学生物々理若手グループ第1回ミーティングから
蛙皮電位と蛙皮電流
The frog skin potential and the frog skin current
伊藤 嘉房
1
1名古屋大学医学部第二生理学教室
pp.257-266
発行日 1962年10月15日
Published Date 1962/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906253
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1)蛙皮の電気的性質の研究史を簡単に概括しUssingのモデルのevidenceとなる事実として,蛙皮を貫らぬいての電位勾配・蛙皮電位・浸透圧変化による蛙皮の膨潤・蛙皮の電気抵抗に関する研究の結果を述べた。
2)蛙皮に於ける濃度電位差曲線の特徴ある形は,細胞内のイオン組成の変化を考慮する事によつて説明される。
3)両側の溶液のイオン組成が対称でない時の短絡流は,2枚の膜の存在を考慮する事により,蛙皮を貫らぬいてのイオンの電気化学ポテンシャルの勾配によつて説明される。
4)蛙皮を浸す溶液の組成を変えた場合の遷移現象は,細胞内のイオン組成が約20分の半減期をもつて新らしい平衡に達するためと思われる。
5)細胞内の負電位は負イオンの蛙皮透過を抑制すると考えられる。
6)G-Strophanthinによる能動輸送の停止は蛙皮の電気抵抗の上昇をもたらすが,これは細胞内のKイオンがNaイオンに置換されるためと思われる。
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