Japanese
English
寄書
酸化還元酵素と不確定性原理
Uncertainity principle and Redoxase
品川 嘉也
1
,
高石 泰子
1
Yoshiya SHINAGAWA
1
,
Yasuko TAKAISHI
1
1京都大学医学部生理
1Dept. of Physiology, Medical School, Kyoto Univ.
pp.267-268
発行日 1962年10月15日
Published Date 1962/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906254
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- Abstract 文献概要
酸化還元酵素のうちで直接,電子転移を行う酵素,例えばフラビン酵素やピリジン酵素で目につくことはこれらが何れも補酵素の活性基として芳香環即ちπ電子系をもつていることである。これらの酵素は最終的には水素原子の移動を行うのであるが,実際の反応としては先ず電子のみが受容され,プロトンは水素イオンとして反応液中を移動するものであることに注意しよう。
これらの酵素が電子転移を行うためには,電子を補酵素部分で"捉え"なければならないとされている。電子を空間内のある限局された領域に閉じ込めようとすると,量子力学の不確定性原理によつて,電子の運動量に一定のあいまいさが生じる。酵素が酸化還元反応速度を適当な値に保つ為にはこの運動量の不確定さを一定の範囲におさえなければならない。今,酸化還元酵素が電子を⊿Xの範囲で捉えねばならないとするとこの電子についての不確定性関係は,
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