海外だより
米国生理学会飛び歩る記
内薗 耕二
1
1新潟大学生理学教室
pp.156-159
発行日 1960年6月15日
Published Date 1960/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906137
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シカゴの学会(Federation of American Societies for experimental Biology)に初めて出席傍聴を決意して準備したのは開会前々日の9日。米国の事情にうとい我々が他国の学会をのぞいても大して得る所はあるまいと予想されたので,大して期待することなく楽な気持で出て来たのですが,結果的に見てやはり出て来て見てよかつたと思つています。相当以前から親しい友人達に出席をすすめられていたのですが,私はかねて学会そのものにあまり多くを期待しないたちなので,にえ切らない返事でごまかしていたのです。所が,開会近くになつて宿はどうした,切符はどうしたとつめよられ,それではプログラムを見てその上できめると返事して2,3日プログラムと首つ引きの勉強をしました。ことに"君のような外人には是非1回の出席は無条件にすすめる"という友人からの強い慫慂があつたので急に出席する気になりました。
学会に私どものユタ大学から出席すると交通費,宿舎費など一切が大学から支給されるのだから遠慮はいらないというDepartment headのすすめもあつて,仕事を途中で打切つて出席しました。飛行様はfirst classにしてほしいというheadのすすめでもつたいないような気もしましたがそのようにしました。
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