綜説
排尿反射に就て
久留 勝
1
,
最上 平太郎
1
,
西井 弘
1
,
西山 敬万
1
,
神川 喜代男
1
,
小山 靖夫
1
,
尾崎 秀雄
1
1大阪大学医学部久留外科教室
pp.222-230
発行日 1959年10月15日
Published Date 1959/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425906092
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ.緒言
排尿反射に関して,私共は多年に亙り研究を続けて来たが,今日尚多数の未解決の問題が残されている。又今日迄に発表された排尿反射に関する実験的,臨床的研究も枚挙に遑がない。
排尿反射は生後約2年以後では,随意的に統制出来る様になる事は,良く知られた事実であり,大脳皮質が膀胱に連繋を持つている事が考えられる。事実此等の間の連絡が障碍せられる様な事態が起ると,排尿障碍が起つてくる事が,多くの臨床的観察から明らかにせられている。即ち脊髄外傷,脊髄腫瘍,脊髄癆,脳外傷,脳腫瘍殊に後頭蓋窩の腫瘍の患者に排尿障碍の起る事が報告せられている。
Copyright © 1959, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.