論説
コリオリ加速度と迷路反射に就ての研究
大和田 健次郞
1
1慶大醫學部耳鼻咽喉科教室
pp.143-147
発行日 1947年12月1日
Published Date 1947/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200035
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緒言
コリオリの加速度を迷路に加えた時,人體殊に姿勢に如何なる影響を及ぼすかについては,餘り報告を見ない樣である。以前から航空醫學に於ては問題とされてゐて,未熟なる航空機搭乘員が,旋回飛行を行ひつつ,頭を動かす時には,特殊な不快感を感じ,且操縦に影響するということである。
この加速度が迷路に及ぼす力を分析してみると,兩側迷路に異つた二つの方向の角加速度が加はつてゐることになる。迷路反射の一部として二つの方向の加速度を加えた時に,如何なる反應が現れるかを,實驗的に觀察したのである。その際特に上半身の姿勢に興味ある現象をみたので,ここに御報告するものである。
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