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第7回 綜合医学賞入選論文
哺乳類頸部交感神経節の活動に及ぼすブドー糖及びカリウムイオンの作用の比較研究
Comparison between the effects of potassium chloride solution and the effects of glucose lack solution on the action of rat sympathetic ganglion
大村 裕
1
Yutaka Oomura
1
1九州大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.307-321
発行日 1957年12月15日
Published Date 1957/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905977
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哺乳類の交感神経節を摘出して酸素を飽和したタイロード液中に入れておくとその機能は48時間以上保たれる(Larrabee,RamosとBülbring1950,1952;LarrabeeとBronk,1952;Eccles1952,1955;BrownとPascoe,1952)。機能とは節前線維の刺戟によつて発生した衝撃がシナツプスを通つて節後線維にまで伝導されることをいう。タイロード液中のブドー糖を除外すると,然しながら2〜3時間位でシナツプス伝達のみならず節前線維の反応まで殆んどなくなつてしまう。ブドー糖を加えて機能の回復を見てみると,ブドー糖欠除(GL)液に曝す時間が長いほど回復はしにくくなる,つまり不可逆的である(LarrabeeとBronk,1952;LarrabeeとHorowicz,1956;HorowiczとLarrabee,1956)。正常の外液中では起らないのに,GLにすると神経節からアンモニアが発生してくる(Larrabee,Horowicz,StikolとDorivo,1956)が,然しながら酸素消費の方は殆んど影響をうけない(LarrabeeとBronk,1952;Larrabeeと共同研究者,1956)。之等の事柄は外部から加えられたブドー糖の代謝が交感神経節の正常機能を維持するのに必須のものであり,ブドー糖の補給が断たれた後はアミノ酸等の含窒物質が分解されることを示すものと考えられる。
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