連載 谷口先生と基礎から学び直す 体液・代謝管理⑩
カリウムイオンの異常を読み解く
-低カリウム血症,高カリウム血症に対して,適切な対応が取れるように
谷口 英喜
1
Hideki Taniguchi
1
1済生会横浜市東部病院 患者支援センター/栄養部
pp.510-516
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn146040510
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
連載第9回では,臨床現場で遭遇する頻度の高い血清ナトリウムイオン濃度の異常について解説しました.今回は,その次に頻度の高い血清カリウムイオン濃度の異常について解説していきます.ナトリウムイオン濃度の異常に対する対応と同様に,カリウムイオン濃度の高低に応じて制限したり加えたりするだけでは問題が解決できません.皆さんが適切な対応を取れるように,今回の連載で解説していきます.
ポイント
1.そもそも,細胞外液中にカリウムイオンは少なく,約98%が細胞内液中に存在する.
2.カリウムイオンの過不足は,細胞内外間の移動の影響を考慮する.
3.高カリウム血症の緊急対処法を押さえておく.
カリウムイオン(K+)は,細胞外液に少ないからこそ,少しの高低で身体に大きな影響を与えます.とくに,高カリウム血症は致死的になりかねない緊急性のある病態です.一方,検査手技にともなう異常も出やすいため,しっかりとした判断ができるようになりましょう.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.