——
日本生化学会総会印象記
吉川 春寿
pp.278
発行日 1957年10月15日
Published Date 1957/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905971
- 有料閲覧
- 文献概要
今年は秋に国際酵素化学シンポジウムが東京と京都とで催されるので,生化学総会を繰上げ7月14〜16日の3日間京都府立医大講堂でひらかれた。京都の夏の蒸暑さは格別で,府立医大御自慢の立派な講堂も一向通風が効果をあげず,1時間位講演をきいていると体を冷しに外の天幕張の下に出なければならなかつた。こう暑いと頭も馬鹿になると見えて私の辺から出した演題以外にわからなかつたし,又,わかろうと努力もしなかつた。前日13日に京大内科講堂で生化学の教育,研究に関するシンポジウムが催されたが,場内満員で若い研究者の意見が活溌に交わされ,本物の学会よりもよつぽど面白かつた。
さて,本物の方だが,糖代謝に関するシンポジウムを交えて総計204の一般演題が出され,その他に本年度生化学奨励賞受賞者(名大勝沼氏,北大殿村氏)の講演と古武彌人教授,三輪知雄教授の特別講演があつた。出題者の色分けをして見ると—勿論嚴密には定めがたいけれども—医学系133,理学系42,農学系21,薬学系8となつている。更に医学系の内訳を見ると医科大学医化学生化学教室から85,その他の基礎医学教室研究所から31,臨床から15,病院検査室から2となつている,理学系では中27が化学系,15が生物系である。
Copyright © 1957, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.