巻頭言
生理学講座のありかた
勝木 保次
1
1東京医科歯科大学生理学
pp.321
発行日 1956年8月15日
Published Date 1956/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905899
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近年各大学に於いて大学院の設置に伴い,生理学講座がその殆んど総てに二講座おかれる事になり,一時は生理学教授ブームの観さえあつた。以前からその傾向があつたが,本邦生理学者の專攻する部門は動物性機能が多く,これに反して植物性機能を專攻する人が至つて少い。この為二講座を動物植物両機能の專攻者をもつてふさぐ事は甚だ困難な事になつてきた。こゝに考えねばならない事は一体動物性及び植物性機能と云うわけ方であるが,この考え方は恐らく,18世紀のBichatに基くのであつて,かゝる考えを現在もそのまゝ踏襲する必要は豪もあるまいし,又適当でない。
生理学の講座が更に増設されるならば甚だ望ましい事であり我々も大いにそれを希望するものであるが,当分二講座に限られるとしこれを如何に分担するかについての筆者の考えを述べてみたい。
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