Japanese
English
主題 聴覚・1
聴覚生理学の展望
Current Trends in Auditory Physiology
勝木 保次
1
Yasuji Katsuki
1
1東京医科歯科大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, Tokyo Medical and Dental University School of Medicine
pp.50-65
発行日 1970年4月15日
Published Date 1970/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902834
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最近の感覚生理学の進歩は眼覚ましく,学生の講義の際にいつも感ずることは,よくもこれだけわかつてきたものだと感心する。聴覚生理学もその一つで,筆者が生理学の時間にきいた講義の大部分は,聴器の微細構造と,精神物理学に属する音刺激とその聞え方であつて,内容は実験心理学的事項が多かつた。
そのうち神経生理学,脳生理学が飛躍的な発展を示すにつれて,微小電極法の発見(1949)とともにneuron生理学がおこり,ここに画期的な生理学の発展が,ひろい分野に渉つて齎されることになつた。もちろん電子工学の発展に俟つ所が多かつたが,transistorの発展につれてすべての器械の小型化が実現し,これによつて多要素器械が製作され,従来不可能とされていた実験も可能となり,ここにも新しい分野がひらけたのであつた。
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