Japanese
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展望と夢
神経科学の展望と夢
Expcctations to neuroscicnces
勝木 保次
1
Yasuji Katsuki
1
1鶴見大学歯学部生理学教室
pp.239-243
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902997
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はじめに
神経科学について将来への展望を書くように請われてからずいぶん時がたつてしまつた。これは多忙のゆえもあつたが,一つは神経科学といつてはあまりに範囲が広すぎて,とうてい筆者にはこれを展望する資格がないと考えられるからで,筆を執る勇気が出なかつたのであつた。こうして日を過ごしていてはいつまでたつても責任を果たせず,いつも重荷を負わされていることになるので,思い切つてなるべく直接筆者に関係のある事柄に限ることにして責をふさがせていただくことにする。
たまたま2月中旬,文部省科研費の特定研究「神経科学」シンポジウムが開かれた。特定研究である関係上,その大部分は計画研究であり,その研究結果はそれぞれの班の会議で討論されているが,これらの班に参加しきれなかつたすぐれた研究の発表を願つたのが2月15,16両日の午前中の発表であつた。午後は現在の神経科学のトピックスの一つと考えられている課題をとりあげ,若手のホープに,その専門領域における成果と展望を語つていただいたが,初日は「伝達物質から受容物質」であり,第2日は「脳の高次機能へのアプローチ」であつた。
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