Japanese
English
論述
Actomyosin-ATP Systemの熱力学と筋肉の收縮弛緩機構
Thermodynamics of the Actomyosin-ATP Sytsem and the Mechanism of Muscular Contraction and Relaxation
永井 寅男
1
,
寺山 良雄
1
Torao NAGAI
1
,
Yoshio TERAYAMA
1
1札幌医科大学生理学教室
1Department of Physiology, Sapporo University of Medicine
pp.263-273
発行日 1955年6月15日
Published Date 1955/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905830
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複雑な自然現象を理解する為の第一段階は熱力学的取扱いである。併し古典的熱力学によつて,我々に有力な知識を提供出来るのは,所謂‘reversible system’である。筋收縮を単純な可逆系として取扱い得ないことは,筋肉を含めて,生物一般の代謝の問題に眼を向けた事のある者にとつては極めて明かなことである。
即ち,living organismは一つのopen systemであつて,外界との間及び内部の構成要素間に複雑な反応の連鎖があり,それが所謂動的平衡(dynamic equilibrium)をなしているのであつて無生物的な平衡とは異る状態にあると考えられるのである。
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