Japanese
English
綜説
聽覚末梢機構の現段階
Recent Advance in the Peripheral Mechanism of Auditory Sensation
勝木 保次
1
Yasuji KATSUKI
1
1東京医科歯科大学生理学教室
1Department of Physiology, Tokyo Medical and Dental University
pp.252-258
発行日 1954年6月15日
Published Date 1954/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905777
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現代生理学の急速な進歩については,毎月の外国雑誌を一見する時いつも「やつたな」と驚かされる論文を見出す事でも知られる。勿論最近は外国との文通が盛んとなつたので絶えず学会の模様を知らせてくれるし,又個人的に意見をのべてくれる人も多くなつたので,以前とちがつて,可成りよく世界情勢がわかる様になつた為,いつも追いかけられる様な焦燥感にかられる人も少くあるまい。さきに筆者が滞米中求められて聽覚生理学の近況をのべてから1)まだ一年有余にすぎないにもかかわらず,更に一段の発展がとげられた。
この発展は主にG. v. Békésyと田崎によつてなされたもので,最近入手したJosiah Macy,Jr. FoundationのNerve Jmpulseに関するSymposiumの記録(これは1953,March,4. 5,6に行われた)中H. DavisはMechanismof Hearing2)と題して詳しく述べている。聽覚生理学に興味をもたれる方々に是非一読をすすめたいものの一つである。この中に筆者も爼上にのせられているが,この点について辨明を要するので,本文をかりて最近の紹介を兼ねて筆者の考えを述べて見たい。
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