報告
白鼠剔出子宮低温法による腦下垂體後葉子宮收縮物質の檢定
熊谷 洋
1
,
江橋 節郞
1
,
武田 文子
1
1東京大學醫學部藥理學教室
pp.174-177
発行日 1952年2月15日
Published Date 1952/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905638
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腦下垂體後葉の子宮收縮物質(以下O.P.と略稱)の検定には,從來,幼若海猽子宮が用いられてきたが,その實際上の困難は,經驗者の等しく嘆ずるところであつた。最近,米國藥局方においては,鶏血壓降下作用を利用した検定法を採用するに至つたのは,この間の事情を説明するものであろう。しかし,子宮收縮物質の鳥類血壓降下作用と,子宮收縮作用との並行性は,一應は認められているとはいうものの,その本質的な關連が證明されていない以上,なお多くの問題を残すものである。
我々は,平滑筋の藥物感受性に對する温度の影響を研究中,低温における白鼠子宮の性質が,O.P.の検定に好適のものであることを見出し,検討を重ねた結果,略々満足すべき結果に到達したので,ここにその概略を報告する。
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