報告
翼手類の肺について—とくに鳥類との比較において
吉村 不二夫
1
,
福井 良介
1
1信州大學醫學部解剖學教室
pp.124-127
発行日 1951年12月15日
Published Date 1951/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905627
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翼手類の肺に關する研究は極めて古くから行われたらしく,大ていの比較解剖學の成書には一應これに關する記載がみられる。しかし直接に翼手類の肺についてまとまつた研究をしている人は意外に少く,著者等が今までにしらべた限りではMarcusのみでこれとても個々の點については簡單である。鳥類の肺は特殊の形態を備えているが鳥と同じように飛翔の上手な翼手類が如何なる適應状態を肺において示すかは興味ある問題である。そこで鳥類,齧歯類,食虫類,食肉類,有蹄類と比較して翼手類の肺の特徴をしらべてみた。また肺胞の構造で爾來議論の中心となつている有核細胞の問題について比較解剖學的に興味があると思われる所見を得た。
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