報告
放電管による反覆現象の週期記録法の1注意—カルヂオタコグラフの時間較正に就て
松田 幸次郞
1
,
兒島 通
1
1東北大學醫學部環境醫學(應用生理學)教室
pp.123-124
発行日 1951年12月15日
Published Date 1951/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905626
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嚮に松田が本誌1)にカルヂオタコグラフの装置を報告した際,それの時間較正法を述べて置いた。所がこの時間較正法をその後検討した結果若干の不備があることを知つたので茲にこれを訂正して正確な較正法を報告すると共に,週期的現象の時間々隔自記の爲にサイラトロンを利用する場合の一般的注意とし度い。
第1圖は既報カルヂオタコグラフの配線であるが,時間較正を得る爲に當初吾々は増幅器A1を除き,サイラトロンのグリツド電壓を適當に變化して數種の週期で自發的放電を行わせることにして居た1)。然るにその後カルヂオタコグラムと同時に心電圖を撮影して各對應する心搏週期を比較したところ僅か乍ら一定の時間誤差があることに氣付いた。始めの較正法によつた値は心電圖による正確な値より若干(0.05〜0.1″程度)過少に出る。(然し1枚のタコグラムを通じてこの誤差は一定であるから呼吸性不整脈の強さを測る時の様に各個の心搏週期の差を取る場合にはこの誤差は相殺して終う。)以上の誤差は被検者によつて異り又同一被検者でも場合によつて異つた値に出ることがわかつた。
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